WORKS

あなたはパラジウムという金属をご存じでしょうか? 

パラジウムは金銀パラジウム合金として歯科治療に使用される金属です。

いわゆる銀歯の材料のことです。

 

歯にクラウン(冠)としてかぶせたり

インレーとして詰めたり

義歯(入れ歯)のクラスプ(バネ)として使用する

銀色の合金。

 

略して「金パラ」またはただ単に「パラジウム」 とか「パラ」と言ったりします。

金パラは1961 年に国民皆保険が導入された際に、本来であれば歯科治療に用いるのは金合金であるところを、まだ戦後の貧しかった経済状況下であったために、やむなく導入されたのです。

安いだけで歯科医学的には積極的に推奨できないような代用合金として日本の健康保険に導入されたのです。

 

お口の中は熱湯の如き高温から氷の如き低温まで、または酸っぱい 酢酸やクエン酸、甘いの辛いの様々な化学薬品のごとき物質が通り過ぎて行く超過酷な環境にあります。 

このような過酷な環境に当時耐えられたのは化学的、生物学的に 安定した金合金や貴金属合金しかありませんでした。

 

1960 年頃、戦後の厳しい経済情勢下のため日本政府は「銅亜鉛合金」という今からは想像すらできないような粗悪な合金を保険に導入しようとしました。しかしそれを 日本補綴歯科医学会は国に働き掛け、何とかこの暴挙を阻止することはしました。ですが…

元々は他の歯が虫歯でその歯の治療をした方です。

治療を終えて全体をチェックしてみると…

???

ちょっと黒くなっている箇所がある


アヤシイ…


ということで削ってみたところ、ビンゴ!でした。

確りと虫歯になっていたのですが

当の本人は痛くもしみることもなく

全く気付かずの虫歯でした。


予防的に削らずに経過を見るという選択肢もあると思います。

しかし虫歯が進行性であるかは分かりません。

黒い場所は、隣との歯と接している箇所

この場所の虫歯は進行するケースがあり

進行してしまったら神経を抜くことも想定しなくてはなりません。

悩みどころではあります。


結果として

麻酔を使うこともなく

歯型を取ることもなく

金属も入れることなく

最小限度に削るだけの

来院1回のみの治療で

済ませることが出来ました!(^^ヨカッタ


手前の歯も同様の虫歯のようですから

次回はその歯の虫歯治療です。


たぶんと言うかきっと

麻酔を使うこともなく

歯型を取ることもなく

金属も入れることなく

最小限度に削るだけの

来院1回のみの治療で

済ませることが出来るでしょう!(^^ヨカッタ


この方も長期的に診させて頂いている患者様

大正生まれの御年91歳

杖も使わず、

車椅子にも乗らず、

お一人で電車とバスを乗り継いでいらっしゃいます。 


お付き合いは平成5年からだから、かれこれ25年…

8年経った入れ歯もまだまだ現役です。

この方も数年何も変わらないまま。

多少なりと歯ぐきからの出血は毎回ありますけど

腫れたこともないし、痛むこともなし

何年も前を変わらず状況を維持しています。

それもやはりバランスがあればこそ。

バランスが保たれているからこそ、何も変わらないまま。

この方も歯医者さんとっては腕の見せ所がない。


でも何も変わらないことがやっぱり一番の幸せ!

長期的に診させて頂いている患者様

診るというより、ほとんど観るばかりですけどね。 

数ヶ月に1回メンテナンスにいらっしゃってます。

メンテナンスは歯科衛生士さんではなく、私が担当しています。

それは歯科衛生士さんというか、受付さん以外のスタッフは私だけなので。

最後に治療したのが平成22年なので7年前。

インプラントもそうですけど、前歯の根元に詰めた詰め物(コンポジットレジン修復)は9年経過しています。 

2年前まで1日50〜60本タバコを吸っていたヘビースモーカー様。

ですが、今のところ特に歯周病は問題なく、歯肉もキレイな色をしています。

夜おやすみ中の呼吸のバランスも取ってもらっています。

 

そのかいもあってか良いバランスをキープしていますのでしょう

おそらく将来歯が無くなる心配は、事故での外傷くらいなものでしょうか。

普通の生活をしていれば、

入れ歯になることも、

インプラントが増えることもないと思います。

 

何も変わらない

歯医者さんとっては腕の見せ所がないかもしれませんね。

でも何も変わらないことが一番の幸せだと思いますね! 

前回の話

着色には「着色成分+乾燥+時間」が必要とお話しました。


歯の着色に置き換えて考えると

乾燥はなぜ起きるのでしょうか?

もう一度以前の写真を見てみたいと思います。

こうして見てみると、

唇や頬粘膜や舌に触れて濡れているところには着色は付いていないことが分かります。 

着色につながった乾燥には、口が開いて「口呼吸」になっていることが伺えます。 

普段気がついていない時に「ポカン口」になっている可能性があると考えます。

 

着色はコーヒーカップなどと同様にこすって洗えばキレイになることが多いです。 

歯医者さんで行う着色除去の多くもこすって(磨く)落とすものです。 


着色は色が付いているだけで大した事ない 病気には関係ない

そう思われているかもしれません。

しかし「口呼吸」となれば話は変わります。 

口呼吸は様々な問題を引き起こす可能性を持っています。

 ・口腔乾燥による虫歯や歯周病

 ・口腔乾燥症

 ・咽頭粘膜の乾燥によるカゼなどの感染

 ・交感神経亢進による自律神経バランスの悪化

 ・歯ぎしり

 ・口臭

 ・鼻疾患

 ・いびきや睡眠時無呼吸症候群

 ・表情筋のたるみ

 ・歯並びの悪化 などなど…


確り歯を磨いているつまりなのに 着色がよく付く方は

百害ある「口呼吸」の可能性があるかもしれませんね。

さて、前回の続きです。

歯の着色とコーヒーカップの関係です。

これは私が病院で使っている愛用のマグカップです。

これでコーヒーを良く飲んでいるのですが、カップに付いた着色をみて下さい。

コーヒーの着色のリングが何個も付いています。

なぜ全面に付かずにいくつものリングになるのでしょうか?


それは濡れているところは着色が付かず

空気に触れ、乾燥したところが着色として残るのです。

コーヒーを時間をかけて飲んでいると

乾燥したコーヒーの液面の縁が着色として残り

また飲んで液面が下がり、放置され乾燥した縁が着色として残り

を繰り返した結果が幾重にもなった着色のリングが出来上がったというわけです。


ネットで検索してみると他の人の投稿にもこんな着色のリングがありました。

つまり、コーヒーを入れてあるから着色するのではなく

着色成分が付着する要素として

「乾燥」

が必要なわけです。


「着色成分」+「乾燥」+「時間」


もちろん表面の粗さなど、着色しやすい状況にあるかどうかも要素になるでしょう。

これを歯の着色に置き換えて考えると

・なぜタバコをよく吸う割に着色が付かないのか

・なぜタバコやお茶やコーヒーをそれほど取らないのに着色が付きやすいのか

の答えが見えてきたのではないでしょうか。


実は歯医者さんでもよくは知らなかったりします。

それは


「着色」=「タバコのヤニ、コーヒーの多飲」


と思い込んでいるから。

「タバコ吸うからですよ」「コーヒー飲み過ぎかもしれませんね」

と言われません?

それと


「磨き方が上手ではないから。汚れの取り残しがあるから。」


とも思い込んでいるから。

思い込みってこわいです。

なんで?と疑問に思わなくなるから。

その瞬間から進歩も成長も止まってしまうのです。

前回からの続きです。

歯の着色って全体にビッシリではないことも多いのです。

 

例えば下の写真の場合、なぜ茶線の内側に多くステインが付くのでしょう?

磨きにくいから?

…ホント??

…前歯ですよ??

次の写真(同じ人の下の歯)ではなぜ前歯だけ?

タバコをパカパカ吸っているとしても

コーヒーに紅茶を飲んでいるとしても


どうして全体に付かないのでしょう?

歯磨きしにくい所が付きやすいのだとしたら

奥歯の内側に良く付いても良いのではないかなと思うのです。


歯科医療従事者なら経験していると思いますが、

ステインの付きやすいところは奥歯よりも前歯だったりします。


それと私の友達でも

ヘビースモーカーなのに、ステインのあまりない人います。

タバコ吸わない(やめた)のに、ステイン付く人もいます。

なぜ??

 

ある時、答えはコーヒーカップの中にあることに気付いたのです。

その答えとは…

歯に付く着色ってコーヒーやタバコによるものと思っていません?

歯医者さんでも、歯の着色汚れ(ステイン)の原因は、お茶、コーヒー、紅茶、赤ワインなどに含まれる色素、タバコのヤニなどと説明を受けられたことあると思います。

確かにこれらが歯の表面に固着するのも原因だと思うのですが、、、

 

ちょっと気になることが、、、

 

もしそうであるならば

「なぜ全面的に付かずに部分的だったりするのでしょう?」

 

よく磨けるはずの前歯だったりするのはナゼ?

下の前歯の裏側は磨きにくいからだって本当?

歯磨き粉使って確り歯磨きしてるはずなのに…

コーヒーも飲まないし、タバコ吸わないのに…

それどころかタバコ吸うあの人付いていない…

せっかく直した前歯もこうなっちゃうとね…

歯ぐきが下がったり…

根元が黒ずんで見えたり…

これは歯磨きでは予防できないのです。虫歯ではないので。

でもこの隙間から虫歯になる可能性はありますね。

こうなる原因は、、、

「奥歯で咬み合わせた時に前歯があたるように直してしまっていること」

 

理想の咬み合わせは

・奥歯で咬んだ時に前歯は当たらない

・前歯で咬み切る時には奥歯は当たらない

のです。

コレ、なかなか知らないですよ!

かぶせものを作る技工士さんでも知らなかったりします…

下の奥歯のかみあわせの面の虫歯の治療例です。保険治療ではかみ合わせの面を削り、歯型を取り、その次の来院の回に銀の詰め物(金属インレー)をするケースが良く見られます。この際に内側に引っかかりがあると型が取れないため、必要以上に大きく削る必要があります。

その点、コンポジットレジン充填では型を取らずに削った空間を直接に埋めていくために必要最小限の削除量で済むメリットがあります。

保険治療でもコンポジットレジン充填を行うこともありますが、手間暇が掛かることも多く、インレーによる治療のほうが短時間で済むことが多いです。

保険での銀の詰め物(金銀パラジウム合金)を白い樹脂の詰め物(コンポジットレジン)に詰め直しした例です。

通常では型を取り1〜2週間後にはめ込むため再度来院するのですが、今回は治療時間は1時間弱でその日のうちに治療完了しました。